最初に探すのは、毎週・毎月くり返す作業

日々の仕事をすべて変えようとすると、確認する範囲が広がり、現場の負担も増えます。まずは勤怠の集計、請求前の確認、施設から本部への報告など、同じ手順を定期的にくり返す作業を一つ選びます。

候補が複数ある場合は「かかる時間」「発生回数」「間違えたときの影響」の三つで比べると、優先順位を決めやすくなります。

1. 実際の流れを、使っている道具ごと書き出す

担当者への聞き取りだけでは、細かな転記や確認が抜けることがあります。作業日に横で流れを見ながら、紙、Excel、介護ソフト、メールなど、情報が移る順番を記録します。

  • 誰が始める作業か
  • どこから情報を受け取るか
  • どこへ入力・転記するか
  • 誰が何を確認して完了になるか

2. 二重入力と待ち時間を見つける

同じ氏名や日付を別の表へ入力している箇所は、自動化を検討しやすい部分です。一方で、承認待ちやファイル探しに時間がかかる場合は、入力の自動化より保存場所や役割の整理が先です。課題に合わないツールを足すと、管理する場所がさらに増えてしまいます。

3. 一つの業務だけで試す

最初から全施設・全部署に広げず、一つの施設、一種類の帳票、一か月分など範囲を区切ります。試す期間中は、作業時間だけでなく、確認の回数や差し戻しの有無も記録します。数字と現場の感想の両方が、次に進む判断材料になります。

4. 例外をなくすのではなく、扱い方を決める

介護現場では、急な変更や個別対応が発生します。すべてを自動化しようとせず、通常の流れだけを仕組みに任せ、例外は担当者が確認できるようにします。「自動化できなかった件が見える」設計のほうが、安全に運用しやすくなります。

5. 使い始めてから直せる体制をつくる

実際に使うと、入力しにくい項目や不要な通知が見つかります。導入時に完成と考えず、現場から相談を受け、少しずつ調整できる担当者を決めます。社内にエンジニアがいない場合は、業務を理解しながら継続して改善できる外部の開発担当を置く方法もあります。